#自創作アーカイブ そんな流れで(どんな流れ?)真百合のシラフで読めそうなとこだけ置きます 一年以上前に書いたので設定がふんわふんわしてます いまもでした… #マドメモCP タイトル未定(真百合) 目まぐるしく流れる日常。部屋から出るようになったわたしに、外の世界はとても眩しい。 学校では友達になってくれた女の子たちが話しかけてくれて。放課後は新しく設立した「ソユーズ」の活動に追われている。 「青春じゃない?」なんて孤児院「こよみの園」の院長──陣内さんは言う。そうかなぁ? まあ、いろいろありすぎて大変だけど、なんとか毎日過ごしていられるところだ。 そうやって少しずつ前を向けるようになったわたし……一花 小百合には大きな悩みがある。 「小百合ー、上の棚からラップ取って」 「はーい。んと……これかな?」 陣内さんに言われた通り、棚に手を伸ばしてみるけど、わたしの身長じゃ、カゴに入ったラップを満足に取り出せない。 どうにか背伸びして、カゴの中に手を伸ばすと、思わず体勢を崩した。「小百合!?」という陣内さんの声が聞こえる──すると。 「…」 とす、とぐらついたわたしの肩を支えたのは同級生の古荘 真人──一見細っこい外見の男の子だけど、わたしを支える手は男の子のそれで。「あ…ごめ……!」と思わず謝ってしまう。ぱ、と手を離した真人が言う。 「院長。こういうのは僕が取りますから」 「あらそう? ありがとね。小百合は大丈夫?」 「あ、うん! なんともないよ…!」 真人は、どうにもわたしのことを避けてるように思う。今もわたしの方を見ることは殆どせず、ナチュラルにわたしがいた場所に立ち、手際よく陣内さんの手伝いを始めた。 とぼとぼリビングに戻ると、孤児院での弟にあたる英里と、妹にあたるあめりがお話をしている。「小百合ねーちゃん、キッチン追い出されたの」と英里が無邪気にいう。 「うん、そう……ねぇ、英里、あめり?」 「?」 「どうしたの、小百合さん」 真人って、わたしのこと嫌いなのかな? そう聞こうと思って、言葉を押し込めた。実際、英里には本当のお兄ちゃんみたいにやさしいし、あめりにはお勉強をおしえてあげてる姿を見たことがある。彼と円満な関係を築けているであろうふたりにこんな個人的なことを聞いても……と思って、「なんでもない!」と笑ってみせた。 大きな問題、というのはこのことだけど。わたしにとって、これだけが問題ではない。真人はわたしとあまり口を聞いてくれないどころか、目線も合わせてくれないけど。わたしが困っている時に、さりげなく助けてくれるのだ。 たとえば、さっきの……落ちそうになったのを助けてくれたところ。宿題に困ってたら、さりげなく横から答えを導いてくれるところ。一緒に孤児院の買い出しに出たら、会話は殆どないのに持ち物全部もってくれるところとか。 何より、前のソユーズの活動の中で──わたしが懇願したら、彼の持つネットの知識、ハッキングの技術を発揮してくれて──すごく助かったんだ。でも、お礼を言っても「別に」としか返してくれない。 でもわたしは、彼のそういうとこ全部を。 (絶対、好きになっちゃったの……) 誰かを好きになったのは、京介さん以来。でも、京介さんも好きっていうか……憧れって感じで。今では真人のことばかり、考えるようになっちゃって。階段を登り、自室に戻る。柔らかなベッドの上に飛び込み、考える。 わたしのいまの一番の悩み。それは、好きになってしまった男の子に、嫌われてるんじゃないかと思うことだ。畳む 2024.11.05 まどろみ町回覧板
そんな流れで(どんな流れ?)真百合のシラフで読めそうなとこだけ置きます 一年以上前に書いたので設定がふんわふんわしてます いまもでした… #マドメモCP
目まぐるしく流れる日常。部屋から出るようになったわたしに、外の世界はとても眩しい。
学校では友達になってくれた女の子たちが話しかけてくれて。放課後は新しく設立した「ソユーズ」の活動に追われている。
「青春じゃない?」なんて孤児院「こよみの園」の院長──陣内さんは言う。そうかなぁ? まあ、いろいろありすぎて大変だけど、なんとか毎日過ごしていられるところだ。
そうやって少しずつ前を向けるようになったわたし……一花 小百合には大きな悩みがある。
「小百合ー、上の棚からラップ取って」
「はーい。んと……これかな?」
陣内さんに言われた通り、棚に手を伸ばしてみるけど、わたしの身長じゃ、カゴに入ったラップを満足に取り出せない。
どうにか背伸びして、カゴの中に手を伸ばすと、思わず体勢を崩した。「小百合!?」という陣内さんの声が聞こえる──すると。
「…」
とす、とぐらついたわたしの肩を支えたのは同級生の古荘 真人──一見細っこい外見の男の子だけど、わたしを支える手は男の子のそれで。「あ…ごめ……!」と思わず謝ってしまう。ぱ、と手を離した真人が言う。
「院長。こういうのは僕が取りますから」
「あらそう? ありがとね。小百合は大丈夫?」
「あ、うん! なんともないよ…!」
真人は、どうにもわたしのことを避けてるように思う。今もわたしの方を見ることは殆どせず、ナチュラルにわたしがいた場所に立ち、手際よく陣内さんの手伝いを始めた。
とぼとぼリビングに戻ると、孤児院での弟にあたる英里と、妹にあたるあめりがお話をしている。「小百合ねーちゃん、キッチン追い出されたの」と英里が無邪気にいう。
「うん、そう……ねぇ、英里、あめり?」
「?」
「どうしたの、小百合さん」
真人って、わたしのこと嫌いなのかな?
そう聞こうと思って、言葉を押し込めた。実際、英里には本当のお兄ちゃんみたいにやさしいし、あめりにはお勉強をおしえてあげてる姿を見たことがある。彼と円満な関係を築けているであろうふたりにこんな個人的なことを聞いても……と思って、「なんでもない!」と笑ってみせた。
大きな問題、というのはこのことだけど。わたしにとって、これだけが問題ではない。真人はわたしとあまり口を聞いてくれないどころか、目線も合わせてくれないけど。わたしが困っている時に、さりげなく助けてくれるのだ。
たとえば、さっきの……落ちそうになったのを助けてくれたところ。宿題に困ってたら、さりげなく横から答えを導いてくれるところ。一緒に孤児院の買い出しに出たら、会話は殆どないのに持ち物全部もってくれるところとか。
何より、前のソユーズの活動の中で──わたしが懇願したら、彼の持つネットの知識、ハッキングの技術を発揮してくれて──すごく助かったんだ。でも、お礼を言っても「別に」としか返してくれない。
でもわたしは、彼のそういうとこ全部を。
(絶対、好きになっちゃったの……)
誰かを好きになったのは、京介さん以来。でも、京介さんも好きっていうか……憧れって感じで。今では真人のことばかり、考えるようになっちゃって。階段を登り、自室に戻る。柔らかなベッドの上に飛び込み、考える。
わたしのいまの一番の悩み。それは、好きになってしまった男の子に、嫌われてるんじゃないかと思うことだ。畳む