照りつける太陽、白い砂浜に青い水平線、そして大きな入道雲。まさに夏と言われて想像するままの風景の中、はしゃぐ少女の姿がある。彼女はゴーグルを上げるとこちらに手を振り、同時に屈託のない笑みを見せた。
「お~い! 真人も一緒に泳ごうよ、気持ち良いよ~!」
「遠慮しときます。しかしあんたは元気だな……」
名前を呼ばれた少年、真人は、小さくため息をついた。まるで子供のようにはしゃぐ少女、小百合に対する呆れが半分、そんな姿を可愛いと思ってしまう自分への呆れが半分。しかしそんなことは露知らず、そっけない返答に小百合は不満げに唇を尖らせた。
「せっかくの海なんだから真人も潜れば良いのに~……意外と小魚とかいっぱい居て可愛いよ?」
「もう散々遊んだから僕は休憩。あんたもほどほどにしときなよ。もう昼時だし、何か買ってきましょうか」
「え~……。ああでも、確かにお腹空いてきたかも……。じゃあお願いしても良いかな? わたしね、焼きそばと焼きとうもろこし食べたい! ご飯食べたらまた泳ごうね」
「まだ泳ぐ気かよ、どんだけ元気なんだ……。あと一時間くらいしたら特設ステージで何かやるみたいですよ。そっちは見ない?」
「え!? 見る見る! じゃあ先に沢山泳いどくね!」
何が「じゃあ」になるのか真人にはよくわからないが、呼び止める間もなく小百合は再び海に潜っていった。泳ぐのが好きというよりは、彼女も言った通り、小魚を眺めたり、海の中をゆったり観察するのが楽しいのだろう。真人はまた一つため息をついてから海の家に向かった。
自分たちと同じように遊びに訪れた人々の雑踏に波の音が混ざる。賑やかなのにどこか穏やかな気分だ。去年のこの時期、自分の心にこんな余裕はなかったな──などと、そんな事をなんとなしに思い出した。
(……いや、今日は感傷的なのはナシにしよう。なんたって海だし)
大自然を前に開放的な気持ちになる部分が真人にもないではない。今日はただ小百合と遊びに来たのだ。夏らしく、学生らしく、そして恋人らしく。バカみたいに楽しいことだけ考えていたら良い。繰り返すが、なんといっても海なのだから。
その後真人は二人分のやきそばと焼きとうもろこし、そして飲み物を買って先ほど別れた場所に戻った。小百合はまだ海に潜っているかと思ったが、意外にも先にパラソルの下で待機していた。
「あれ……もう上がってたんですね。てっきりまだ泳いでるかと」
「あっ……う、うん! なんか急に疲れちゃって……へへ。あ、おつかいありがとね! 後でお金払うね」
「……? ……いや、別に奢りで良いですけど……」
何か小百合の態度に違和感を感じる。何か隠しているような、それに顔も赤いような。顔に関しては日焼けだとか気温のせいと言われれば腑に落ちないでもないが。ひとまず真人も小百合の隣に腰を下ろし、彼女の分の昼食を手渡した。
早速焼きそばを食べ始めた真人の隣で、小百合は飲み物に口をつけこそすれ何も食べる気配がない。自分よりもよっぽど体力を使っただろうにどうしたのかと、真人は彼女の顔を覗き込んだ。
「……どうしたんですか? 早く食べないと冷めますよ、もしかして具合悪い?」
「や……そういうわけじゃ、ないんだけど……」
小百合はごにょごにょと口ごもるばかり。煮え切らない態度に真人は少し苛立って、「だったら何?」と少し強い口調で問いただす。それでも小百合はすぐには口を割らなかったが、やがて観念したのか、真人に手招きをしてそっと耳打ちした。
「あのね……海の中で見ちゃって……」
「何を?」
「えっと……知らない人達、なんだけど……」
──えっちなこと、してたの。
その一言で、小百合の顔の赤さが真人にも伝播する。驚いて小百合の顔をバッと見遣ると、彼女は先ほどよりも恥ずかしそうに頬を染めていた。
「なっ……う、海の!? 中で……!?」
「う、うん……触りっこしてた……」
「は……はぁ~~~……馬鹿かよ……浮かれすぎだろ……」
驚きと呆れを抱くと同時、それならば小百合の様子にも納得がいく。彼女もまた思わぬものを見てしまったことに驚き、慌ててここまで戻ってきて、その恥ずかしさやら何やらでしおらしくなっていたのだろう。真人は額に手を当て、また深く息を吐いた。乳繰り合うのは結構だが、そういうことはもっと人目のない場所でやってくれ。
「一応、バレないうちに戻ってきたつもりだけど……向こうも気付いてたかな? だとしたら悪いことしちゃったかも……」
「いやいや、何であんたが申し訳なくなってるんですか。むしろ公然わいせつの被害者だろ、監視員にでも訴えれば良かったのに」
「そ、そんな勇気ないよ~……。……、……あ、あのさ、真人……それでね……?」
つい、と小百合の指先が真人の手の甲に触れる。その触れ方にどきりとする。小百合は先ほどよりも更に顔を赤らめて、上目遣いにこちらを見ていた。翡翠の瞳が熱に浮かされたように揺蕩っている。その揺らぎに吸い込まれそうな気がして、勝手に喉がごくりと鳴った。
「わたしも……その……、……ドキドキしちゃって……、……ちょっとだけ、ダメ……?」
「そ……っ、そんなのダメに、決まって……」
彼女の熱がまた伝播する。わかっているのだ、自分たちが性欲盛んな年頃だということは。他人の濡れ場に触発されてしまう程度には煩悩まみれだということは。しかし常識的に考えてアウトだろう。なんといってもここは屋外で、公共の場で、そういうことをするにはリスクが高くて、それで、それで……。
「~~~っ……、……ちょ、……っとだけ、ですからね……」
「してはいけない理由」は沢山あったけども、結局「したい欲求」が勝ってしまって。ここで折れる自分も、高鳴って仕方ないこの心臓も、人のことをとやかく言える立場ではないのだと真人はまざまざ思い知らされた。
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特設ステージの方から音楽と歓声が聞こえる。バンドの演奏が始まり、ビーチの盛り上がりは最高潮だ。そんな中で二人はライブを楽しむでもなく、海を満喫するでもなく、一畳の広さもないシャワールームで互いの唇を貪っていた。せめてもの保険にと全開にしたシャワーが、二人から少しそれた場所を無意味に濡らしている。
「ん……っ、ふ、ぅ……♡ ぁ……♡ ま、こと……」
「はぁ……、なんて顔してんだよ……」
二人の間を銀の糸が伝う。小百合の表情は既に蕩けきって、しかし視線はまっすぐに真人を捉えている。水着の中に手を挿し込み、陰核を優しく撫でてやると、それだけで気持ちよさそうに声を漏らした。
「ん、ぁ……っ♡ んん……っ♡」
「あんまり声出さないでくださいよ……、シャワールームなんだから、他に誰か来るかもしれないし……」
「わかってる、けど……、ドキドキ、して……」
小百合は壁に背中を預け、物足りないとでも言いたげに腰を揺らす。清純そうな顔立ちに反してその動きが淫らで、真人はまた生唾を飲み込んだ。個室とはいえここは公共の場で、誰かに気付かれるかも、というリスクは変わらない。それが胸の高鳴りに拍車をかけている自覚は、正直ある。それは小百合も同じなのだろう。欲情しきったその表情が何よりの証拠だ。
「さっさとイってくださいよ、こんなところで本番する気ないですからね……」
「ん、ん……♡ ふぁ……っ、ぁ、まこと、それ、こりこりって……♡」
「声」
「あん、ん……っ、ごめ……っ♡ で、でも……っ、きもち、よくてぇ……っ」
小指の先ほどもない、ほんの小さな突起をいじめてやるだけで、面白いほどに愛液が溢れて真人の指と水着を濡らす。真人は反対の手でその愛液を掬い、早くも秘部に指を挿入した。お腹側のザラザラした部分、俗にGスポットと呼ばれる部分を指の腹で押してやると、小百合の細い腰が跳ねる。
「ひぅっ♡ う、ぅ♡ んくぅ……っ♡」
「まだ指一本だろ、感じすぎじゃないですか?」
「だ、ってぇ……♡ あ、ぁ……っ、だめ、腰抜ける……♡」
「掴まって良いですよ」
「ん……♡」
あいにく真人は両手が忙しいので抱きしめてやることが出来ない。状況も相まっていつもより感じているらしい小百合は、自力で立っているのも難しいのか、迷わず真人に両腕を伸ばした。するりと頭を抱き込むようにされて、二人の胸が密着する。深く考えずにした提案だったが、水着越しに彼女の柔い乳房が当たるし、耳元で喘ぎ混じりの熱い吐息を感じることになるし、逆効果だと気付くのに時間はかからなかった。
「は、ぁ……♡ まこと、もっと……奥、欲し……♡」
「っ……わかったから、あんまりそこで喋らないでくださいよ……くすぐったい……」
「ちょっと無理、か、も……~~~ッ♡ あ、ぁ……んぅ……っ♡」
自分の股間が痛みと苛立ちを訴えるのに気づかないふりをして、ねだられるまま指を増やす。人差し指は相変わらずGスポットを刺激したまま、中指はもう少し奥へ。そしてもう片方の手で陰核を摘まむようにすると、小百合は「んやぁ……っ♡」と猫のように鳴いた。
(ああ……くそ、だから、耳元でそんな風に喘ぐなよ……っ)
さっさと済ませてしまわなければ、本当に自制が利かなくなる。外の歓声がより大きく聞こえたタイミングで手淫を速めると、小百合の体は顕著に反応した。
「んぁっ、あ!?♡ ま、待って、ぁ、あぁ……~~~♡ お、おと、聞こえる……恥ずかし……っ♡」
「恥ずかしいなら、せめて頑張って声抑えろよ……っ」
「む、むり、むり……っ♡ ひ、あ、ぁぁ♡ それ、きもち……♡ すき、ぃ……っ♡」
くちゅくちゅ、くぷくぷと、中で愛液と空気が混ざり合って音を立てる。必死に真人にしがみつきながら、ねだるように腰をくねらせる様が淫らでいじらしい。膣壁は真人の指を離すまいと、まるで食うように収縮を繰り返していた。
「はぁ……あ、ぁ……♡ ぁっ、あ♡ ん…っ、ふぁ、ぁ……~~~……♡」
「……呼吸浅い。もうイキそう?」
「う、ん……♡ ぃ、イきそ、イきそう……っ♡ そのまま……っ、つ、つづけて、イかせてぇ……っ♡」
はふはふと浅い呼吸を繰り返しながら、甘えるように頬を摺り寄せる小百合。だからそういう仕草が股間に来るんだ、人の気も知らないでと、そんな苛立ちも込めて真人の手はスパートをかけた。弱いところを容赦なく責められ、小百合は一層強く真人にしがみつき、ピンと脚を伸ばして腰を逸らす。
「ひっ、ぃ、あぁ……っ♡ ぃ、いく、まこと、イっちゃう……っ♡」
「だからイけって……っ」
「いく、いく……、ぅ♡ うぅっ♡ んっ……あ、ぁ♡ あ……~~~ッ♡♡」
小百合はか細い悲鳴のような声を上げ、そのしなやかな体躯をぶるぶる……っと震わせた。指を咥えこむその穴は更にきつく収縮し、愛液を溢れさせる。たまらなくなった真人が彼女に口づけると、絶頂に身を震わせながらも健気にそれに応えた。
「ん、んっ♡ んむ♡ ん……っ、は、ぁ♡ はぁ♡ んっ、ぁ……♡」
「は……、小百合……」
「ん……♡ ま、こと……もうちょっと、このまま……っ」
絶頂の余韻に浸りながら、ひしと真人にしがみついたままの小百合。ひとまず誰にもバレずに事を終えられたようだと真人は内心で胸を撫でおろした。後はシャワーで軽く彼女の体と自分の指を流して出て行けば良いだろう、と思っていたのだが。
「っ!? ちょ……っ」
不意に股座を撫でられた感覚がした。驚いた真人がそこを見下ろすと、案の定、小百合の手がすりすりとそこを往復している。彼女の痴態にあてられたとはいえ、水着にテントを張っている己の体の浅ましさよ。
「な、何して……、触るなよ……!」
「だって、真人のここ、苦しそう……」
「ぼ、僕は別に、大丈夫だから……! それに言っただろ、こんなところで本番する気なんて……」
「でも、このままじゃ出れないよ?」
急に図星を突かれて真人の表情が強張る。確かにその通りだ。言い逃れのしようもないほどに勃起しているこの状態で外になど出れない。隠しながら歩いても不自然だし、堂々と歩いても滑稽だ。滑稽どころか人に見られたらたちまち変態のレッテルを貼られてしまう。
それなら自然に治まるのを待つべきか?いや、自然に治まるか?この状況で?そんな風に悶々と考えているうち、小百合は勝手に水着の中へ手を挿し入れてくる。張りつめるそれに直に触れられ、真人の全身がカッと熱くなった。
「だっ、だから、触るなって……!」
「しーっ……」
静かに、と小百合が真人の口元に指を当てる。今さっきまで真人が散々「声を抑えろ」と言ってきたことの意趣返しだろうか。そして逆の手ではちゅこちゅこと真人のものを扱いて、先端にはじわりと先走りが滲んだ。興奮と恥ずかしさと気持ち良さで早くも頭が爆発しそうだ。
「く……っ、さ、さゆり……っ」
「ね、もうちょっとだけ……ダメ……?」
「そ、そうやってねだれば、僕が全部言うこと聞くとでも……っ」
どうにか理性を保とうとしているのに、急所をすりすりと撫でられたり、時には先端をなぞられると、どんどん心臓が逸ってしまう。決して大きな刺激ではないのに、悲しいかな、それだけで怒張は熱も硬さも増してしまうのだ。我がことながら男の体のつくりの単純さに呆れてしまう。
それでも手を出さない真人に痺れを切らしたのか、小百合は胸を覆うセーラー調の水着をがばっと鎖骨のあたりまで捲り上げた。形の良い乳房が露わになり、更にそれを真人の胸に押し付けてくる。さっきもこうして密着していたはずだが、間に布が一枚あるかないかで感じ方が段違いだ。
「真人……どうしてもダメ……?」
「だ……、……っ、~~~……! ああもう、あんたって人は……!」
こうして最後の砦はあっさりと崩れ落ちた。真人は手早く小百合の下の水着をずり下げ、物欲しそうに収縮する秘部へ切っ先をあてがう。照準さえ定まれば後は腰を進めるだけだ。性急な挿れ方に小百合はまた脚をピンと強張らせ、真人にしがみついて歓喜の声を上げた。
「あっ、ぁ、あぁ……~~~っ……!♡♡」
「ぐ……っ! あ、っつ……っ」
まだ絶頂の余韻が引き切っていなかったのか、小百合の中は真人のものを歓迎するようにぐねぐねと蠢いている。せめて馴染むまでは待ってやりたい気持ちもあったが、散々煽られた苛立ちと、目の前にぶら下がっている気持ち良さに対する堪え性がなく、真人は即座にピストンを始めた。あまり音を立ててはいけないとわかっているのに、止められそうになかった。
「ひっ♡ あ、ぁ♡ あぅっ♡ んうぅ♡ ま、ことっ♡ そんなっ、いきなりぃ……っ♡」
「どの口が……! ねだったのは、あんた、だろっ……!」
「そ、だけど、ぉ♡ んっ、ぁ♡ お、おっぱい、だめ、吸っちゃだめぇ……っ♡」
ダメだと言いながらその声は本当に嫌がっているようには聞こえない。Gスポットを抉るように意識した律動、それと同時進行で乳房への愛撫も忘れない。あえて触れてこなかったのに二つの突起は赤く熟れて芯を持ち、吸ったり舐めたりしてやると更に小百合は体を震わせた。もう片方の突起も指の腹で撫でたり、先端のわずかな窪みを爪先で引っ掻いたりしてやる。彼女の声にますます甘さが滲む。
「んは、ぁ♡ あ♡ だめ、りょうほ……っ♡ きもちぃ♡ ひっ♡ ほ、ほじっちゃ、だめ♡ それやだ……っ♡」
「はぁ……っ、本当に嫌なら、やめましょうか?」
「や、やだ、やめないで♡ ほんとはすき、だからぁ……っ♡」
「知ってる……っ、だってここ、弄るたびに、ナカ締め付けてくるもんな……っ」
「ひうぅぅ……っ♡ ぅ♡ あ♡ まこと、まことぉ……っ♡ ど、しよ、ぜんぶきもちいい♡ あ♡ あっ、ぁ、あ♡ あぅんっ♡ んん~~~……っ♡」
いつ人が入ってくるかもわからない状況だというのに、また小百合は声を抑えることを忘れている。それを咎めるだけの余力も真人にはなく、夢中で腰を振り、柔らかな乳房を貪った。中のザラザラしたところに竿が擦れて気持ち良い。海水に濡れた体は少しばかり塩の味がするはずだが、舌を這わせると何故か甘く感じられた。ぱちゅ、ぱちゅ、と肌がぶつかり合う音が狭いシャワールームに響く。
「んっんっ……ぁ♡ お、おく♡ もっと、もっと奥も、突いて……っ♡」
「こう?」
「あぁぁ……ッ♡ そう、きもちぃ……っ♡ あ、ぁ♡ お、おっぱいも、もっと、めちゃくちゃにして、良いから……っあ!♡ ぁ♡ こりこり、すきぃ……♡ はぅ♡ じんじん、する……っ♡」
言われるままに奥を穿ったり、胸の突起を甘噛みしたり強めに摘まんだりしてやると、小百合の声は更に媚びるようなものになっていく。それがまた股間に響いてどうしようもない。その細腰をぐいっと引き寄せると更に奥まで入って、先端がこりこりした何かに当たった。
「あぁぁぁ……っ♡ ぁ♡ そこ、そこっ……♡ いっぱい突いて、まこと……っ♡」
「っ……あんた、さっきから、煽りすぎなんですよ……!」
「きもち、きもちぃ……ッ♡ ぁ、どうしよ、腰、かってに揺れちゃう……♡ あぁッ♡ ん、は♡ ひぅ……っ♡」
小百合の言う通り、真人に揺さぶられながらも彼女は自ら腰を揺らしていた。もっと良いところに欲しい、もっと奥に欲しいとねだるように。その動きに連動しているのか、中のうねりも複雑だ。すぐにでも持っていかれそうになるのをこちらはどうにかこらえているというのに、本当に、人の気も知らないで。
「少しは、大人しく、出来ないのかよ……っ!」
「んあッ!?♡ あ……ぁ、あ♡ ま、って、イった、いま、イっ……~~~っ♡♡ ~~~♡♡」
「ぐっ……、締め付けヤバッ……」
どちゅん!と特に強く奥を叩くと、小百合が背中をしならせ、下腹部から内股をぶるぶる……っと震わせる。本人も言う通り絶頂したのだろう。だが、それでも真人は止まれない。中の締め付けに逆らうように何度も何度も強く腰を打ち付け、彼女に追い打ちをかけた。
「あッ♡ あッ♡ だ、だめ、だめっ……♡ ぃ、イくの、とまんない……♡ あぁ♡ あっ、ん♡ んうぅぅ……~~~っ♡♡」
「はっ……、本当にダメって意味で、言ってないくせに……!」
「だめじゃない、けど、だめぇぇ……っ♡ はぁ、ぅ♡ ど、しよ、まことぉ♡ きもち、ずっと、きもちいぃ……っ♡ あっ♡ ぁ♡ ぃ、イって、まこともイってぇ……!♡」
絶えず快楽を与えられ続けて多少は苦しいだろうに、小百合は真人にも気持ち良くなって欲しい一心で健気に腰を揺らすのをやめない。真人の腰遣いは更に早くなる。絶頂感、吐精感が迫っている。その興奮のままにまた目の前の乳房に吸い付くと小百合は猫のように鳴いて、真人の頭を抱きしめた。
「はぁぁ……~~~ッ♡ あぁっ♡ それすき、ぜんぶすきぃ……っ♡ まこと、まことぉ……っ♡」
「さゆり……っ、僕も、もう……っ」
「んっ♡ ぁ、だ、だして、出してぇ♡ 奥、いっぱい……注いで良いからっ♡ まことのほしい♡ ほしいよぉ……っ♡」
声も態度も動きも全て媚びくさって、本当にイライラさせられるし、頭はクラクラする。だが、そんな彼女が可愛くて愛しくて仕方がない。自分のものにしてやりたい。そんな独占欲の表れか、真人はその細い首筋に噛みついた。小百合は甲高い嬌声と共に中をきつく締め付け、とうとう真人のものから熱い精が放たれた。
「あっ、ぁ、あ~~~っ♡♡ あっ♡ ぁ、あつい、あついぃ……♡ はぁぁぁ……っ♡」
「う、ぐ……っ! ~~~……っ」
「はぁ、ぁ♡ ぁん……っ♡ ぁ、あ……っ♡ ま、また、イってる……♡ 赤ちゃんできちゃう……♡ ぅ♡ んっ、ぁ♡ あぁ……っ♡」
どぷどぷと溢れるそれは一滴残らず小百合の中に飲み込まれていく。真人は小百合の腰をきつく抱き寄せて離さず、小百合も真人の頭を抱きしめて離さず、ひしと密着した状態で長い余韻を味わった。まだ小刻みに震える中が心地良い。彼女のしっとりとした柔肌が心地いい。快楽の余韻を含んだ、色っぽい吐息が心地いい──そんなまどろみすら感じていると、不意に額にキスを落とされる感覚がした。はっとして顔を上げると、小百合が愛らしさと色香の両方を兼ね備えた笑みでこちらを見ている。
「ん……ふ、へへ……♡ まこと……きもちよかった……?」
「い……いちいち聞かないでくださいよ、そんな……。……っ! ちょ、まだ動いたらダメだって……!」
「え~……? ダメ? わたし、もう一回くらいなら、出来るけど……♡」
小百合は先ほどのお返しだとばかりに、真人の首筋に吸い付きながらぐりぐりと腰を回す。案の定「んん……っ♡」と鼻から抜けるような声がいやらしくて、悔しいが股間に響いた。さすがに真人のものは萎れてしまっているので、直後に第二ラウンドなど出来ない。というか、さすがにこの場でこれ以上は無理だ。それでも小百合は足りないのか、視線で訴えてくる。どうしてもダメかと、欲を孕んだ翡翠の瞳が誘惑してくる。
「~~~っ……この、スケベ……!」
「それはきみのせいだよ? えへへ……♡」
人懐っこい顔をして、そのくせ、真人にはとってはとんだ小悪魔だ。真人は照れ隠しと腹いせに、再び小百合をきつく抱きしめた。彼女の声、体温、触れる肌の感触が、頭の中をじくじくと焼いていくようだった。